「キョンー!」
ああまたか。
顔は美人なくせに全くけたたましい女だ。
窓から下を見ると声の主の「カミサマ」とやらと
そのキーパーソンたるあいつがいた。
…今日は外に出ていたのか。
通りで会えなかったわけだ…。
相変わらず振り回されているようだな。
いや。
振り回しているのか。
カミサマも随分と解りやすい。
あいつに見られているのがそんなに幸せか?
……くそ。
かたん。
もたれかかったガラス窓が小さく音をたてた。
会いたい。
そう思った時ノックの音が耳に入った。
「失礼します。」
「…お前じゃねえよ。」
「おや、何の事でしょうか?」
「…なんでもない。」
現れたのは古泉だった。
大袈裟にため息をついてやる。
「何の用だ。」
「ご挨拶ですね。」
そい言いながら仕事の話にうつる。
定期連絡の件だった。
くそ。
SOS団にまた喧嘩を売るイベントを起こせと言うのかと期待したじゃねえか。
あー面倒くせえ。
…俺。
「では僕はこれで。」
「へーへー。早く帰れ。
私は非常に忙しい。」
適当に返事を返すと。
古泉は小さく呟いた。
「そう易々と近付けませんよ。」
「…っ。」
バレバレか。
まあ仕方がないが。
けどそれこそ仕方ない。
それでも諦められないんだからな。
end
なんとなく続いたぐるぐる会長シリーズです。
けっこう延々と片想いしてそうです。ちくちくと邪魔をするのがたくさんいますから。
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